新卒入社・転職は上場企業の経理がオススメです!
今回は上場企業の経理をやっていて良かったと思うことを書いていきたいと思います。
上場企業の新卒の年収や年齢ごとの年収、福利厚生を公開します。
上場企業に就職することの良いことの一つに給与が良い、年収が高い、残業代がしっかりと出る、福利厚生が充実しているといった点があげられると思います。
私自身が所属していた上場企業の年齢別年収を、私自身の経験をもとに書いてみました(残業時間については、少し正確性に欠けますが、大体こんなもんかと思います)。
1年目(22歳)は450万(ボーナスは、年間70万円くらい、残業時間は通常月は30時間、四半期決算は月60時間、本決算は月100時間程)。
2年目(23歳)550万(ボーナスは、年間90万円くらい、残業時間は通常月は30時間、四半期決算は月60時間、本決算は月100時間程)。
3年目~5年目(24~26歳)600万(ボーナスは、年間90~100万円くらい、残業時間は通常月は40時間、四半期決算は月60時間、本決算は月100~130時間程、税務申告月100時間程)。
6年目~7年目(27~28歳)700万(ボーナスは、年間100~140万円くらい残業時間は通常月は40時間、四半期決算は月60時間、本決算は月100~180時間程、税務申告月100時間程)。
8年目(29歳)800万(ボーナスは、年間100~150万円くらい残業時間は通常月は40時間、四半期決算は月60時間、本決算は月100~180時間程、税務申告月100時間程、税務調査は200時間以上)。
※29歳の年収は税務調査(半年間)の残業代が異常についた結果、高くなっています。
特徴としては、残業代・休日出勤手当などがちゃんとつく、ボーナスは業績連動により変動するものの必ずついていた、自分の成績や評価が給与の昇給とボーナスに加わる、といったところでしょうか。
福利厚生については、独身寮月額¥8,000-(東京都大田区)、結婚社宅家賃補助¥130,000-(東京・神奈川・埼玉・千葉どこに住んでも)と居住費が非常に手厚く出ます。
役職ごとの年収でいうと、係長800万(30歳以降)、課長900~1,000万(最短で38歳くらい)、部長1,500万(最短で40代後半)、本部長3,000万(最短で50代中盤)、社長1億くらいのイメージです(子会社の社長は部長と本部長の間くらいです)。役職がつくと残業代が、残業時間に関係なく、みなし残業代の上乗せとして付きます。
幅広い部署をまたがる仕事ができる
まず、上場企業の経理部門は、分野によって担当部署が確立されており、私が勤めていた会社では、上場企業本体の経理業務を行う部署、手形や現金出納などを担当する部署、経営数値の分析を行う部署、連結会計を担当する部署など様々な部署で構成されていました。
これらの部署は、営業や技術、人事や総務、法務や広報といった様々な部署と関わることができ、幅広い部署をまたがる仕事をすることができました。
また、私の所属する上場企業本体の経理業務を行う部署では、会計士監査の対応や税務調査の対応も行っており、会社全体の業務についても把握しなければなりませんでした。税務申告の場面においては、外国税額控除を行うために、海外の子会社と連絡を取り合い、現地の申告書の写しを取り寄せたりもしました(正直、英語ができずに非常に苦労しました。時には、タイ語の申告書を見ることもありましたが、さっぱり何が書いてあるかわかりませんでした(笑))。
これらの業務を通して良かったと思うことは、下っ端の私でも、各部署の課長以上の方々と一緒に仕事ができたことです。
日商簿記1級で得た会計の知識や税務の知識を持っていることで、課長クラス(大体40~45歳くらい)の人が自分の顔を覚えてくれることはもちろん、頼りにしてくれます(意外と営業や技術の課長クラスでも経営数値の読み方や財務諸表の構造を理解していない人はいますので、分かりやすく説明すると頼りにしてもらえました)。
そのため、自分自身も課長以上の方々に正しい情報を提供できるよう勉強もしましたし、どうすれば税務の知識がない人に対して分かりやすく伝えられるかを考えながら話すことで、説明がうまくなった気がします。
大きな組織になればなるほどに、各課の課長同士のネットワークは強く、良い評価は横に伝わっていきます。
私は、税務調査をきっかけに、さらに広い範囲に自分の顔も覚えてもらえましたし、実力を示すことができました(税務調査の時は、課長クラスに対して貸しを作ることができました(笑)後日、高級料理をおごってもらうことも度々ありました)。
中小企業では味わえない知識・経験が見につく
上場企業は、IR情報を開示するにあたり、会計士監査を通さなければなりません。そのため、経理部門の役割として、会計士をも納得させるだけの筋の通った、屁理屈を考えなければいけないのです。
会計士は、利害関係者に対して適切な情報を開示するための数値を求めます(保守的な数値)。社長達は利害関係者から褒められるために、最大の利益を求めます(認められる会計処理の中で最大の利益。時にはグレーゾーンを攻めることがあったり、なかったり…)。
そして、グレーゾーンを攻めた場合は、会計処理の裏側にある税務処理上の屁理屈をも考え抜き、税務調査時に調査官も納得させなければなりません。
言うなれば、私法(民法)・会計処理・税法を意識して業務を行うということです(当然、システムについても強くなります。販売システム、会計システム、連結会計システムなどの連携が分かっていないと適正な数値を表すことができないため)。
また、時には海外事案も絡んでくるので、幅広く税務知識も学ばなければなりません(タックスヘイブン税制や移転価格税制など実務でやっていました)。
正直、学習することが苦痛と感じる人は、大変だと思いますが、勉強が苦にならない人にとっては、とても楽しいと思います。
社会的責任の大きさを体感できる
自分のした仕事が、IR情報として、世界に発信されることの責任を感じることができます。そのため、仕事の細部にこだわりを持てるようになりました。何かを大きく間違えれば新聞報道されることもあります。もし、そんなことになれば、自分が原因で社長の首が飛んだりします。
仕事である以上、どんな仕事にも責任がつきまとうことは同様であるかとは思いますが、責任の大きさはやはり違います。
そんな仕事を任されたり、また、実際に遂行できたりした時の喜びは一入(ひとしお)です。
税理士になっても、税理士として責任ある仕事をしたいと思います。
【番外編】 上場企業の合コン、結婚の実態を暴露します!
合コンについては、新入社員のころから月2回ぐらいはやっていたと思います。その理由は、同期の大半の人が地方出身者なので、東京に来ると知り合いの異性がおらず、また、金銭的に余裕が出ることから、週末はとりあえず合コンしようみたいな感じでした。
また、会社の先輩たちが新入社員のコネクションに寄ってたかってきますので、半強制的に開かれる時が多々ありました。ただし、これは決して悪いわけではなく、こういう時に先輩と同じ時間を過ごすと先輩のセールストークや立ち振る舞いを学ぶこともできましたし、非常に仲良くしてくださいました。最終的には部署をまたぐ仕事をするときに協力してくれました。
結婚については、独身を貫く人と30歳までに結婚する人の二極化していた様に思います。独身を貫く人は、永遠と遊んでいます(笑)結婚する人は、海外赴任や転勤の事を考えて比較的早く結婚する様でした。また、大学時代に付き合っていた人と結婚する人も多かったです。
私自身の結婚後の体験談としては、非常に妻には迷惑をかけたなと思います。なんといっても残業は多いし、休日出勤も多いかったので、子供の面倒を殆ど見てあげられませんでした。俗に言うワンオペというやつですね。特に退職した年は、自分も妻も限界だったと思います。ただし、これは自分のことだけではなく、同じフロアの他部署にも似たような状況に陥っている人がそれなりにいました。ある意味、上場企業の旦那と結婚した人の宿命かなとも思います。そのため、離婚する割合も一定数いました。
終わりに
私自身、上場企業の経理を経験したことで、自信がつきました。
基本的には、何でも自分で考えて、色々な人を巻き込みながら仕事をして、結果を出すということを繰り返し行うことで、大体のことは上手くいくなと思えるようになりました。
この様な経験を通して、自信がついたことで、税理士として独立してもやっていける自信があります。
また、仮に税理士として通用しなくても、上場企業に戻って、また、死に物狂いで仕事することもできると思います。
それくらい自分に自信がつきました。
人生一度きりなので、若いころにこういう経験ができたことを幸せに思います(40,50歳になってから同じだけ働くだけの自信はありませんがね(笑))。