今回の記事では、実際に使用した本試験の問題を添付した上で、回答する際の問題用紙の使い方や仮採点のやり方、また、仮採点を行って感じたことを記載していきたいと思います。
【注意】このやり方が必ずしも正解ではありません。あくまでも、私が実際に行った方法の紹介であることをご理解ください。
本試験の問題用紙を見てみよう!
まず初めに、実際の問題用紙を見てみましょう!
本試験問題⇧ページをめくったり、ズームして見てみてください。
問題を解く順序について
問題を解く順序については人それぞれだと思いますが、 私は、何があっても計算から先に解くと決めていました。
理由は、計算を満点にするということと、理論は最悪、自分の言葉で、多少省いて書いても良いと自分の中でルールを決めていたからです。
それでは、具体的な順序について、以下に記載していきます。
①理論の問題を読んで、どの程度書けるか判断する。(この時点で、計算に何分使うか、理論に何分使うか、ある程度時間配分を決定します。また、理論で問われていることは何か、覚えてきた理論の内、どこを書くべきかをざっくり決めておきます。)
②計算問題の全体をざっくりと見渡します。(これにより、気を付ける部分に目星をつけておきます。項目として、住宅借入金等特別税額控除があるな~とか、寄附金税額控除あるな~とかです。)
③計算の問題をあわてずにしっかりと読みます。(自分は、問題の内、何を問われているのかがわかるように、実際の問題用紙の問題文に①・②と、この問題での問いはいくつあるかを一目で分かるように書くようにしていました。添付した問題用紙の計算の問題にも実際に①・②と書いていますので見てみてください!その後、この問いに対する解答欄がどの様な形式で解答を求められているかを計算用紙を見て確認します。)
④計算問題の問題分のうち、重要なところに蛍光ペンで色をつけていく。(私は、最重要部分にはオレンジ色を塗り、基本的な事項(標準税率や非課税に係る基本額、加算額、甲の妻、甲の長男など)には、黄色の蛍光ペンで色を塗って分かりやすくしていました。)
⑤あとは、計算問題を順序に従い解いていく。(解く際の問題用紙の使い方として、解答済みの部分には✖印をしたり、配当割や配当控除など、解答の問題の後半で使用する項目については、一目で分かるように各問題の横面に金額を書くようにしていました。そして、使用後は✖印をすることで、漏れを防いでいました。配当割額控除や配当控除って結構忘れるんですよね~)
計算の問題用紙の使い方で意識するべきことは 解答漏れを防ぐということです。
問題を解くスピードを意識しすぎるとどうしても忘れてしまう項目が増えてきます。それが本試験で出てしまったら確実に落ちます。ですから、普段の計算問題を解くときから、常に満点を取るための問題用紙の使い方を意識し、自分なりの方法を確立するようにしてください!
計算の仮採点について
私が実際に行った計算の仮採点用紙を下記に公開します。
本試験の計算の仮採点(縦)⇧ページをめくったり、ズームして見てみてください。
仮採点を行うにあたっては、本番の数値をどこかしらに記録して持ち帰る必要があります。(私は、本試験で配られる計算用紙に書き写して帰りました。ただし、本番で書き写す余裕がない場合には無理して写してこなくても良いです。本番では目の前の問題を解くことに集中してください。翌日にもう一度解けば問題ないと思いますので。)
なお、添付した仮採点は、本試験の翌日に再度解きなおしをしたものです。(仮採点なので、社会保険控除と書くべきところを”~”とかを使って省いたりしていますが、本番では当然すべてを書いております。ご了承下さい。)
仮採点をして気付いた事があります。もしかしたら、今回の本試験の計算で合否を分ける最重要ポイントだったかもしれません。
添付した仮採点の2ページ目の上段(4歳の男児と甲の長男の妻)と3ページ目の下段(甲の母の夫)のこのコメント。O社の仮採点では配点が各2点ずつ来ています。しかし、T社では配点が来ていません。(配点がきていないというか、T社はコメントすら書く必要はないと判断されています。)
これはどういうことかというと、今回の本試験の様に、計算が比較的簡単で、受験生達の計算の点数にあまり差が出ないような状況の場合、コメントに配点がくる可能性が高く、予備校の違いで合計6点違う結果となるという事です。
この時、つくづく2社のテキストを購入し、それぞれの違いを意識しつつ、良いところを抜粋して学習してきてよかったと感じました。
しかも、今回の本試験では、計算だけではなく、理論についても同様の事が起きています。
詳細は以下に記載します。
理論の仮採点について
理論の仮採点については、正直、ざっくりな仮採点となるでしょう。
なぜなら、本番で自分では書けていると思っていても、実際は抜けていたりするからです。
そのため、理論の仮採点はあてにできないといっても過言ではありません。
そういう意味でも、計算で満点が取れていれば(計算は最終数値が絶対なので)、理論は8割取ることを意識すれば良いかと思います。
本試験の理論で意識すべき点について、私自身感じたことは、以下の通りです。
①問われていることを正確に読み取り、問われていることに対する解答を書く。
②できる限り一字一句暗記した通りに書けるのが望ましいが、自分の言葉が入ったからと言って合格しないわけではない。
③空欄を作らない(時間がない場合は題名だけでも書く。時間がないだけで、書くべきことをわかっていますよアピールをする。)
④文字はできる限り綺麗に書く(読めれば大丈夫です。)
また、計算では予備校の違いによって6点も異なると書きましたが、理論についても考えさせられる点がありました。
それは、本試験理論問題、問1②の配偶者特別控除の解答です。
これは、理論を覚える時点で私自身気になったところでもあります。
【O社】
配偶者特別控除
(1)控除額
所得割の納税義務者が生計を一にする配偶者(青色事業専従者等を除き、前年の合計所得金額が123万円以下であるものに限る。)で控除対象配偶者に該当しないもの(前年の合計所得金額が1,000万円以下である納税義務者の配偶者に限る。)を有する場合には、その納税義務者の前年の課税標準から一定の方法で計算した金額(最高33万円)を控除する。
(2)適用除外
(1)の規定は、その生計を一にする配偶者が所得割の納税義務者として配偶者特別控除の適用を受けている場合には、適用しない。
【T社】
配偶者特別控除
道府県及び市町村は、所得割の納税義務者が自己と生計を一にする配偶者(青色事業専従者で給与の支払を受けるもの及び事業専従者に該当するものを除く。)で前年の合計所得金額が123万円以下であるもの(控除対象配偶者に該当するものを除く。)を有する場合において、その所得割の納税義務者の前年の合計所得金額が1,000万円以下のときは、その者の前年の所得について算定した課税標準から、次の区分に応じ、それぞれに定める金額以下のときは、その者の前年の所得について算定した課税標準から、次の区分に応じ、それぞれに定める金額を控除する。
イ その納税義務者の前年の合計所得金額が900万円以下である場合
(1)前年の合計所得金額が90万円以下である配偶者…33万円
(2)前年の合計所得金額が90万円超120万円以下である配偶者…
38万円-(その配偶者の前年の合計所得金額-830,001円)※
※カッコ内の金額が5万円の整数倍の金額から3万円を控除した金額でないときは、5万円の整数倍の金額から3万円を控除した金額でカッコ内の金額に満たないもののうち最も多い金額とする。
(3)前年の合計所得金額が120万円超である配偶者…3万円
ロ その納税義務者の前年の合計所得金額が900万円超950万円以下である場合
上記イの区分に応じ、それぞれに定める金額の3分の2に相当する金額(当該金額に1万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)
ハ その納税義務者の前年の合計所得金額が950万円超1000万円以下である場合
上記イの区分に応じ、それぞれに定める金額の3分の2に相当する金(当該金額に1万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)
正直、O社の解答では配偶者特別控除の解答として、簡潔すぎるかなという印象を持ちます。
そのため、私の理論暗記は、基本的にO社の理論テキストを利用して暗記していたのですが、配偶者特別控除の部分についてはT社の理論テキストを暗記していました。(なお、この配偶者特別控除の配点はO社は4点、T社は6点で、O社の解答で4点もくるのか正直疑問です。)
ただし、これも善し悪しがあります。
私は、本試験で配偶者特別控除の理論をT社の理論を用いて書いたことで、時間が足りなくなったのも事実です。(時間が足りなくなったことで、問2③・④が題名しか書けていません。それでも合格しました。)
自分は、問いに対する解答を心がけていましたので、暗記すべき時点で、適切な解答となる様に、自分なりに工夫して2社のテキストを使い分けて暗記をしていました。
ここでも、2社のテキストを使用することのメリットがあったと思います。
終わりに
問題用紙の使い方と仮採点について記載しましたが、いかがでしょうか。
ここでも大手予備校の2社のテキストを使い分けることのメリットが分かったかと思います。
税理士試験は、いかにミスをせず、かつ、ライバル達よりも優れた答案を作り上げるかがポイントとなっています。
そのため、自分なりの工夫を見つけることが大事ですが、年1回の試験のため、なかなか大胆な試しはできないでしょう。
そこで、私の経験談を上手く使っていただければ幸いだと思います。