私の考える税理士試験最短合格、その2

前回の記事で税理士試験合格までの最短ルートは以下の通りだと記載しました。

①日商簿記1級合格⇒②簿記論・財務諸表論合格⇒③ミニ税法合格(住民税or固定資産税・国税徴収法)⇒④大学院税法免除

その理由について 、あくまでも私個人の考え方をお話ししたいと思います。

日商簿記1級を取る理由

日商簿記を取る理由は以下の点があります。

①大学に行って単位を取らなくても税理士試験を受けることができるようになる(最短で税理士試験を受けることが可能となる) 

②就職に有利

③上場企業の経理をする上で、非常に役に立つ

④財務諸表の読み方や構造を理解することができる

⑤簿記論・財務諸表論を受ける際に非常に有利

①について、税理士試験の受験資格は複数ありますが、日商簿記1級さえもっていれば、中学生でも税理士試験を受けることができます。また、⑤にも記載の通り、簿記論及び財務諸表論の学習が非常に楽に行うことができます。

②について、中小企業での就職はもちろん、上場企業の経理部門への就職も可能です。また、③でも書いていますが、上場企業の経理をする際には、商業簿記・会計学もさることながら、実は工業簿記・原価計算が力を発揮します。これは、業種によるかと思いますが、上場企業は概ね、自社工場を保有していることが多く、工場経理をする際に原価計算や工業簿記の考え方が役に立ちます。(大卒の人でも新入社員の頃からのこれらの知識を保有している人は少ないです。同期では一人もいませんでした。そのため、新入社員として入ったころから、課長補佐級の仕事の内容を理解することができたりします。私はできましたし、仕事を任せてもらっていました。)

④について、財務諸表の読み方や構造を理解することで、株式投資をする際に企業の経営状態を読むことができるようになります。(株式投資をやらない人には関係ないですが、私は学習した知識を活用する為に、株式投資を行うようになりました。)

簿記論と財務諸表論を取る理由

税理士試験制度上、この簿記論と財務諸表論は必ず取らなければなりません。

しかし、最短ルートという意味では、やはり、日商簿記1級合格後、直ちに簿記論と財務諸表論を学習することが重要かと思います。

それは、簿記論と財務諸表論の計算は、日商簿記1級を合格するレベルにあれば、ほとんどクリアできるからです。

計算の学習にほとんど時間を要しないため、財務諸表論の時間を多くとることが可能となり、場合によっては、1年間で簿記論と財務諸表論の2科目を同時に合格することができます。(私の友人の数多くは、日商簿記1級取得後の最初の税理士試験で2科目同時合格しておりました。私は落ちこぼれなので2回目での合格でした。)

ミニ税法(住民税or固定資産税or国税徴収法) を取る理由

ミニ税法を取る理由には、以下の点があります。

①法人税、消費税、事業税、固定資産税については、中小企業だろうが上場企業であろうが実務上必ず経験する税法科目のため、実務をこなしていると一定のレベルの知識は必ず身につくため。

なお、私の経験を記載すると以下の通りです。

【経験】

上場企業(売上5,000億円以上)の法人税申告、消費税申告、事業税申告(外形標準課税適用)、固定資産税申告(償却資産税含む)、事業所税、関税、印紙税などの実務(税務調査含む)については経験済み。

②国税三法に比べて、学習時間が少なくて済む。これについては、賛否両論あるかと思いますが、私は、国税三法を社会人になってから受かる気はしません。学生の頃に、税理士試験に専念する場合はまだイケる気がしますが、社会人になってからは正直無理です。社会人になってから仕事しつつ法人税とか受かる人は本当に尊敬します。

なお、私が住民税を選択した理由はこちらです⇒【税理士試験の住民税に合格するには

税法科目免除(大学院修士課程)を取る理由

税法科目免除を行うことの理由は以下の通りです。

①税務調査の場面においては、大学院で学ぶ租税判例の考え方や税法解釈の知識が非常に役に立つ。また、私法(民法)を学ぶことで、税務調査で引っかからないためのスキームを自ら考える力がつくようになる。

②入学する大学院に税法科目免除の実績があり、かつ、優秀な教授がいる場合は、留年しない限り、2年間で、税法科目免除を受けることができる可能性が高い。(入学する大学院を間違えると、論文の質が、税法科目免除の要件を満たさず落ちる可能性がある。実際に、私の友人の先輩(税理士事務所勤務)は、国税局の審査で要件を満たさず落とされたため、再度別の大学院に行き、論文を書き直したと聞きました。)

終わりに

私のこれまでの経験から、上記の様な方法が一番早く合格でき、かつ、実務で必要な部分もカバーできる方法ではないかなと考えています。

人生は長いようで、年を重ねるごとに、時間には限りがあることを自覚するようになります。

私は、現在33歳ですが、33歳の私ですらそう感じるのです。

なかなか、10代・20代前半では気づかないことかもしれません。

老婆心という言葉を使うことは適切ではないかもしれませんが、若い人達には時間を有効に使ってほしいと思います。