税理士試験の財務諸表論に合格するには

まず始めに、私自身、財務諸表論に合格したのが平成20年とかれこれ12年程前だということをご了承下さい。しかしながら、令和元年に住民税も合格しており、勉強方法としては大きく変わらないと思いますので一つの参考にしていただければ幸いです。

財務諸表論の特徴

①計算で点数がとりやすい。 ライバル達と計算で差がつきにくい。その為、みんなが正解する場所は必ず正解する必要がある。

②暗記する理論の量が多く、理論テキストを最初から最後まで確認する作業(以下「回す」という。)にも時間がかかる。また、真新しい論点が出てくることがあり、試験委員対策や近年話題となっている論点を理解できているとなお良い(1行程度でも何か書けると本番でキラリと光る解答用紙となり、ライバルと差をつけられる)。

財務諸表論合格に向けた作戦

①計算はできる限り早い段階で高得点を取れるようにしておく。計算の復習に時間をかけない工夫を凝らす。

②理論は丸暗記である必要は無いと考えるが一度は丸暗記するすべし。(本番でテンパると、答案用紙へのアウトプットの際に崩れた形になるし、また、丸暗記しなくて良いと初めから甘えると、結局ちゃんと覚えていないことが多いため。)

試験前2ヵ月前(遅くとも1ヵ月前)までに、理論は2日で1回転できるレベルまでもっていく。仕事をしている人などは3日で1回転、最悪1週間で1回転。

使用する教材

私自身の財務諸表論の受験回数は過去に2回あり、2回目で合格することができました(年齢は22歳の時、 簿記論・財務諸表論同時合格 )。 合格当時は、税理士試験の予備校大手の大原簿記の経理本科4年生でしたので、テキストは大原簿記のものを使用しておりました

周りの友人達の中にはTACの問題集などを解いているものもおりましたが、先輩方の合格者を見る限り、大原簿記のテキストをしっかりと理解していれば受かるかなと思います。(ただし、税法に関しては異なります!この点についてはこちらの記事を参照してください⇒【税理士試験の住民税に合格するには】

具体的な対策・計算編

財務諸表論の計算は、簿記論に比べれば、数をこなすことである程度とれるようになります。根気よく、繰り返し問題を解いてみてください 。

自分は、大原簿記の実力判定公開模擬試験以降の問題を何度も解いて、最終的には満点、又は1問しか間違えないレベルまで解きこみました。(もちろん、そこまでに至るには、基礎問題個別問題集なども最低5回転はします。

その際、やって頂きたいことは、間違いノートを作成するということです。

⇒【計算間違いノートの作り方】はこちら!

なぜ、間違いノートを作るかというと、私自身の経験上、間違える場所はいつも一緒だからです。また、その反面、間違えないところは何度やっても間違えないのです。

間違いノートを作る目的は、①間違えたところを毎日見返すことで記憶の定着を図るということと、②何度やっても間違えない場所を復習しないためです。

間違いノートを作ることで、私自身、計算に関して、試験前1ヵ月間は、自分で作った間違いノートの復習を中心とし、2日に1回総合問題を1問解くだけにとどめていました。

その代わり、残りの時間を理論を回す作業に費やすことができました。

具体的な対策・理論編

財務諸表論の理論は、範囲が非常に広いため、ただ単純に暗記しようとすると時間が膨大に必要になります。

覚え方としては、財務諸表論の理論は、計算との親和性が高く、計算の理解が理論の理解を助けてくれる度合が高いと思います。その為、理論暗記をする前に一度計算とのつながりを意識して、暗記を進めると、より早く暗記することができると思います。また、いざアウトプットするときに計算とのつながりを理解していると、ど忘れした時に、崩した自分の言葉で書くことが可能となるため、いざというときに非常に役に立ちます。

理論暗記に関しては、正直、忍耐と根性が必要です。人は、忘れる生き物です。忘れることは仕方がないことなので、そこにいちいちストレスを感じていても仕方がありません。

忘れては思い出すを繰り返すことで、記憶の定着が進むのです。

税理士を目指す限り、誰もが通る道です。ライバル達だって辛くても理論暗記をしています。このつらく、険しい道を通り抜けられたものだけが合格を手にすることができます。諦めず、根気強く頑張りましょう。