「落ちる」という意見について
落ちるという意見について、有力なものとしては、私が大原簿記の経理本科生として在学しているときに、簿記論と財務諸表論の講師より、「空欄は絶対に作るな、計算なら、わからなくても近い数値を記入しろ!理論なら、一行でも良いから書け!」と言われた記憶があります。
そのため、簿記論では、わからなくても、無理やり数値を入れ込んだ記憶があります。
財務諸表論についても、理論は自分なりの言葉で書いた記憶があります。
はたして、この行為が合格に直結するかというと正直、不明です。
個人的な感想としては、適当な数値を書いても、適当な数値であることはすぐわかると思います。
簿記論と財務諸表論の2つを合格した時は、確かに、空欄は作りませんでした。
しかしそれは、単純に、自信をもって解答できるレベルに自分がいたからであって、当てずっぽうで書いたわけではありません。
正直、個人的には、適当な数値を書いた方が印象が悪いようにも思います。
「落ちない」という意見について
私は、こちらの「落ちない」という意見に賛成です。
賛成というか、実体験として、昨年合格した住民税の理論については、全く記載していない項目や題名だけ書いて、文章については書かない項目があっても合格しています。(第69回税理士試験、住民税、第一問、問1③調整控除の人的控除額の差額については、全く記載していません。問2④税率、税額計算及び徴収方法のうち、徴収方法の申告納入と申告納入の意義については、題名だけ書いて、本文は書いていません。)
ただし、計算については、仮採点にて、最終数値を全て一致しており、かつ、コメントについても大原簿記のものを使用して全て記載しております。(仮採点で満点)
これらのことを総合的に勘案すると、結論として、空欄があっても合格するといえるでしょう。(科目によって取り扱いが違うということも考えにくいと思います。)
【番外編】漢字をミスると落ちるのか?
本試験の理論の解答の際に、本来漢字で書くべきところを、「ど忘れ」してしまった場合に、ひらがな又はカタカナで書いてしまうと落ちるのかという点についてですが、結論から申し上げますと、私は落ちませんでした。ただ、絶対に落ちないとも言えないというところが本音です。
というのも、昨年合格した住民税の理論のうち、大手予備校の仮採点には出てこない部分について、自分としては書くべきと判断して書いた理論の中(論点はズレていないと思います)で、漢字をど忘れしてしまい、その部分についてカタカナで書いたが、合格したということがありました。(もしかしたら、本試験でも採点箇所になっていないため、カタカナで書いたところが採点されていないため、落ちなかっただけかもしれませんが・・・)
具体的には、第69回税理士試験住民税の第一問(理論問題)、問2の④の税額計算の部分について、私は、理論暗記の時点から、計算方法の具体的な部分についても理論暗記をしていましたので、記述しました。(仮採点ではここは記載する必要はないと判断しているようです。たしかに、ここまで書くと時間が足りなくなってしまいます。実際、私は、この論点を書いたことで時間が足りなくなりました。)
具体的には以下の様に記述しました。
退職所得の計算方法
退職所得の金額は、その年分の退職所得の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とする。この場合における退職所得控除額の計算方法は、以下のとおりである。
①通常の退職の場合
(イ)勤続年数が20年以下の場合の場合…40万円×勤続年数
(ロ)勤続年数が20年超の場合…800万円+70万円×(勤続年数-20年)
②①により計算した退職所得控除額が80万円未満の場合…80万円
③障害者になったことに直接基因(ここをキインとカタカナで書きました)して退職したと認められる場合…①又は②により計算した額に100万円を加算した金額
終わりに
税理士試験の都市伝説の一つである「解答用紙に空欄があると落ちる」について、私の実体験を交えて切り込んでみましたが、結論としては落ちない!という事と、住民税の合格経験から感じたことは、やはり、計算の重要性です。
計算数値は答えが一つなので、採点に違いが出ません。
しかし、理論については、仮採点における予備校大手の解答を見比べてみてもわかる通り、答えが一つとは言えない状況にあります。(予備校によっては解答が全然違ったりします。)
税理士の実務を念頭に置くと、計算間違いは、御客様に不利益を与えることとなりますし、税理士が求められる適切な課税という事を考えると、計算は完璧であることが望まれるでしょう。
そのことから、当ブログでは、計算の重要性を語っており、住民税においては、計算で満点を取ることが合格の近道であることを書かせていただきました。
税理士試験の都市伝説について、私の体験談で解き明かせるものは今後も解き明かしていきたいと思います!(ネタがあればですけどね(笑))