私事ではございますが、この度、2020年4月14日に国税審議会税理士分科会事務局より「税理士試験免除決定通知書」が遂に届きました!!
これでようやく税理士試験を卒業できます!(^^)!
そこで今回は、大学院卒業後(修士の学位等の取得後)に行う、研究認定申請の手続きについて、自分の経験を交えて説明したいと思います。
税理士試験免除決定通知書税理士試験税法免除申請の書き方
修士の学位等取得による試験科目の免除制度について
今回私は、修士の学位等取得による試験科目の免除制度(俗に言う院免、大学院税法免除等)を利用して、税理士試験の税法科目の内、2科目の免除を行いました。
この制度を使うためには、以下のいくつかの条件をクリアしなければなりません(この記事では税法免除に焦点をあててお伝えしますので、会計学の免除については特段言及致しません)。
1 税法に属する科目の認定を受けるためには、大学院において所得税法や法人税法などの税法に属する科目等の研究により学位を授与されていること。
2 会計学に属する科目の認定を受けるためには、大学院において簿記論や財務諸表論などの会計学に属する科目等の研究により学位を授与されていること。
3 申請する分野(税法に属する科目又は会計学に属する科目)の試験科目のうち、1科目の試験で基準(満点の60%)以上の成績を得ていること(いわゆる一部科目合格していること)
簡単にまとめると、①申請前に税法科目に1つ合格し、かつ、②大学院において税法に属する科目等の研究により学位を授与することです。
私自身、大学院入学時には税法科目を1つも持っていませんでしたが、学位取得後の8月に住民税を受験し、12月に合格しましたので、そこから申請を行いました。
国税庁のQ&Aにも回答がありますが、①と②の前後関係は問われません!
ですので、私の様に、簿記論・財務諸表論を持った状態で大学院に通い、卒業後にミニ税法を合格すれば、合格発表の半年後には、「税理士試験免除決定通知書」を受け取ることが可能となります(当然研究の内容が認められればですが)。
認定が受けられる研究とは何か
まず、税理士試験の免除制度の趣旨を確認しますと、「税理士法第1条に定める税理士の使命の実現のために、その税理士業務を適切に行い得る能力(試験合格者と同等の学識及びその応用能力)を十分に有していると認められる者について、試験科目の分野ごとに試験を免除することにあるところ、税法(又は会計学)に属する科目等に関する研究かどうかの判断に当たっては、こうした免除制度の趣旨に鑑み、研究の名称にとらわれることなく、研究内容について個別的に審査されます。」とされいます。
論文を通して税理士業務を適切に行い得る能力を有しているかを見られているという事です。
そして、あくまでも「大学院において所得税法や法人税法などの税法に属する科目等の研究」である必要があります(などの部分は、非常に幅広い範囲となり、当然、相続税、消費税などについてもその範囲に入ります)。
そのため、私は、法人税法を中心として、租税回避に対する対抗策を問う論文を書きました。
フローチャートをみて自分が申請対象可能か確認しよう
まず初めに、国税庁のホームページに公開されているフローチャートで、自分が院免対象者であるかの確認を行ってください。
改正税理士法の「学位による税理士試験免除」制度のQ&Aフローチャート上記フローチャートのルートは私自信の場合を赤色にて記載しております。
必要書類
必要書類については以下の通りです。
(1)研究認定申請書兼税理士試験免除申請書
研究認定申請書兼税理士試験免除申請書記載すべき項目は青色にて書いてあります(記載例は私の場合の内容となっています)。
PDFの2枚目に「税理士試験等結果通知書」も掲載してありますのでご参照ください。
(2)学位取得証明書(「修士(法学)」、「修士(商学)」等の学位名が記載されたもの)
⇒大学院を卒業する際に大学から証明書が交付されると思いますのでそちらを添付してください。
(3)成績証明書(注2)((2)又は(3)で入学年月が確認できない場合は「在籍期間の証明書」も必要)
(注2)当該申請に係る科目を内容とする単位(4単位以上)については科目名を○で囲んでください。
⇒こちらも大学院を卒業する際に交付されると思います。その交付された成績証明書のうち「税法に関する科目4単位」に〇をしましょう。以前書いた記事の「大学院編」でも紹介しましたが、1年次の単位スケジュールを立てるときに、ここの要件を満たすように単位スケジュールを作成しなければなりません!
(4)修士の学位等取得に係る学位論文のコピー(学位論文の表紙、目次(ページ数が記入されているもの)及び参考(引用)文献目録を添付する。)
⇒学位論文のコピーは、大学院を卒業する際の審査にかかったものと同じものを添付します。私は、キンコーズの製本サービスを使い、製本したものを添付しました。あと、併せて、論文要旨も大学院の審査の際に作成していたので、添付しました。こちらについては、要件とはなっていませんが、大学院の同期達も添付していたので私も添付しました。
(5)論文の内容及び修士の学位等取得に係る論文であることについての指導教授の証明書
指導教授の証明書上記の内容は自分が実際に書いた内容の一部を変更したものを記載しています(身バレしないように)
私の様に、簿記論・財務諸表論しか取得していない場合は、税法1科目を合格するまでの間、この教授の証明書は大事に保管しなければなりません。大学院の教授は、数年ごとに変わってしまうため、この書類を紛失した際に、再度サインを頂くことは困難となることが予想されますので注意してください。
(6)履修要項等における修了した研究科の履修規定のうち、修了要件(在籍期間、必要単位数、修士論文の審査に合格等の条件)が記載された部分のコピー
⇒私は、履修要項をコピーしましたが、シラバスなどでも代用がきくようです。履修要項は、入学時にもらいますので大事にとっておくことをおすすめします。インターネット上で履修要項を入手できる場合もありますが、月日が経つと、インターネット上で公開されなくなる可能性があります。注意が必要です。
(7)講義概要(講義要項)等のうち履修した全科目の担当教授、講義内容及び単位数が記載された部分のコピー(注3)
(注3)申請に係る科目については、講義概要(講義要項)等で具体的な講義内容が分からない場合には、別途講義内容を説明する資料が必要になります。
⇒私は、(6)と同様履修要項をコピーしました
(8)合格科目を証する税理士試験等結果通知書又は一部科目合格(免除決定)通知書(一部科目合格通知書の直近分が昭和60年度以前のものである場合には、合格済みの全科目分)のコピー
⇒私は、上記で公開している税理士試験等結果通知書(研究認定申請書兼税理士試験免除申請書の説明のPDFの2枚目)のコピーを添付しました(3科目が合格していることの確認のため添付が必要です)。
(9)郵便番号及び宛先を明記し、一般書留であれば575円、簡易書留であれば460円、特定記録郵便であれば300円分の切手を貼ったA4判大の返信用封筒
⇒返信用封筒も同封しなければなりません。ここでの注意点は、宛先間違いです。私自身、申請を行ったあとに、自宅を購入したので、申請時に購入した自宅の住所を書いて申請をしましたので、ちゃんと届くか心配でした。もし引っ越しを挟む場合は、最寄りの郵便局に転送届をしっかりと出しましょう!
基本的には以上となりますが、提出される方々によって要件が異なりますので、正しい情報を参照してください。下記に国税庁のリンクを貼っておきます。
修士の学位等による試験科目免除(研究の認定を含む。以下同じ。)について〔税理士法改正後〕、問7、2を参照ください⇒国税庁ホームページ
税法免除申請から決定までは何日かかるか
私自身の経験としては、申請書類一式を郵送したのが、2019年12月16日、国税審議会が受理したのが翌日17日、「税理士試験免除決定通知書」の決定が2020年3月31日、実際に自宅に届いたのが4月14日でした。
決定から自宅までの郵送に約2週間かかったのは、コロナウイルスの影響なのかは定かではありませんが、受理から決定までの期間で言うと、105日でした。
東亜大学の実績の平均値からすれば、可もなく不可もなくの速さだと思います(私と東亜大学は特段関係ありません(笑))。
終わりに
「税理士試験免除決定通知書」が届いたことで、やっと肩の荷がおりました。
税法免除の申請は、出せば受かるとも言われていますが、実際のところ、友人の先輩は合格しませんでした。
そういう事実を聞いてしまった以上、「税理士試験免除決定通知書」が届くまでは気が抜けませんでした。
正直な感想としては、達成感よりも脱力感の方が大きいかもしれません。
これまで、高校卒業後に専門学校に4年間通い、必死に勉強しましたが、それでも税理士になれず、社会人になってからも税理士になるという夢をあきらめられませんでした。
結婚し、子供が産まれ、産まれた子供に「夢を持て」と語るためには、自分自身が夢を実現する必要がありました。
子供はまだ5歳ですが、今では、勉強している私の姿をみて、一緒になって勉強をしてくれます。
幼いながら「将来は一緒に税理士の仕事をパパの隣に座ってやりたい」と言ってくれています。本当に可愛いです♪
自分の中ではベストのタイミングで税理士試験合格を手にすることができたと思います。
35歳までに合格できなければ諦めると決めていました(もうすぐ34歳になります)。
次の目標は、できる限り早く税理士登録すること、そして、税理士として仕事して、収入をえることです(これまで税理士試験に投資してきた金額の回収を目標に頑張ります)。
これまで私の事を支えてくれた両親や妻、そして子供に対して感謝するとともに、何か一つでも恩返しできるよう頑張ります。
皆様もいち早く税理士試験を突破されることを心から願っております。
貴重なお時間をブログを読む時間にあてて頂きありがとうございます。今後も1つでもお役に立てるように記事の更新を心がけていきますので宜しくお願い致します。